はまー in Asia

8000億円あったら何する?

[caption id="" align="aligncenter" width="640"]とある8000億の開発援助 良い使われ方を期待します。[/caption]

ついに来た!

そう、ミャンマー宛に日本国からの開発援助という名の大きな貢物

僕は別に専門家でもないけど、ミャンマーにせっかく一年近くいるので、日本の税金の使い方としてODAというのは妥当なのか?ということを真剣に考えてみる。

8000億円という数字は大きいのか?

でも正直、今の自分には8000億円とか使い途の想像がつかない。ので、他の指標とかを参考にしてみる。

例えば、対アフリカ全土に対して日本の官民の支援(投資)額はここ3年で3.3兆円ほど。アフリカの国が56ということを考えると、国ひとつに対して年間200億円くらいということになるので、5年で8000億円というのはかなりの額だ、ということがわかりますね! 首相、スー・チー氏と会談 8000億円支援表明 (2016/11/2 20:28 日本経済新聞 電子版)

で、なんでそんなにミャンマーと仲良くしたいの?

で、この額が、色々と批判とかはありそうだけど、必要な金らしい。日本がこれだけのお金を拠出しなければならない価値が、ミャンマーにはあるのだ。

何故なのか。その理由は地理的なところにある。

ミャンマーというのは、地政学的にものすごく重要な位置にある。特に、中国にとって。

驚くなかれ、実は中国には、世界への自由な出口がないのである。

chinaworry

もうおわかりかと思うが、そんな中国が左下(南西方向)に希望を見出そうとするのは必然といえる。

ココに出てくるのが話題のミャンマーなのであるが、知らない人もまだまだ多いので説明する。

ミャンマーという国の地理について。

東はタイ、西はインドとバングラデシュ、北は中国に国境を接する。南は海。

この、海に面した国である、というのがものすごく重要である、というのは経済発展の歴史からもお分かりいただけるかと思う。物流というものは、今後量子テレポーテーションでも実用化されない限りは必須だからだ。

これを理由として、ミャンマーは中国からかなりの圧力なり、懐柔なりを受けている。

一方で西側の大国インドからもアツいラブコールを受ける。ミャンマー→タイ→ベトナムと経由すれば、そのルートで太平洋へ突破できるからである。これはシンガポールとマレーシアの支配するマラッカ海峡を避けるため。

当然、中国やインドとの結びつきが強くなれば、アメリカも黙っていない。経済制裁を最近解除したのもそう。多くの大国が、ミャンマーに支援という名の賄賂を送っている。

今後のスーチーさんの外交政策と、内政の手腕に期待。

と、いうことで、外交戦略上、ミャンマーと仲良くするということはかなり意義のあることだと言うことが上記の説明でなんとなくわかっていただけたかと思う。5200万人が暮らす若い世代が多い国でもあるので、今後の市場としての展望も見据えてのことだろう。

そういった先進国の思惑を利用しての立ち回りは、最も大事な政治活動とも言える。スーチーさんもそうで、最近のフィリピンのドゥテルテさんにも言えることだが、大国から大金をせしめる、という方法は新興国外交政策として結構共通点があるのではないだろうか。

まあ、何にせよミャンマーに住んでいる身としては、開発が進むことは歓迎したい。道路が整備されたり、渋滞がなくなったり、停電がなくなったり、通信網が整備されたり。きっと国民の大半も恩恵を受けられるだろう。是非とも素晴らしいお金の使い方を見せて欲しい。

せっかく軍事政権から民主化したのに、それが裏目に出て格差が広がった挙句、犯罪が増えてしまった。というようなことがないように、いつまでも平和な国のまま発展して欲しいものだ。

.hatena-module-related-entries { display: none; }