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データで共進化する社会。幸福度は機械で測ることができる。

こんなに面白い本を久しぶりに読んだ。
データに裏打ちされた事実というものは、得てしてSFより興奮するものだ。
多くの人が必読だと思う本書。僕の稚拙な書評なんかを読む暇があるならこちらをさっさと読んだほうが幸せになれるだろう。
データの見えざる手: ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則


<概要・感想>

ざっくりいえば、データを利用して現実世界を良くしていこう。という話。
最近よく聞く感があるところだが、ひと味もふた味も違うので、是非一通り読んでもらいたい。
重要だと思ったのは、以下の点

1.人の身体情報はわりと簡単に集めることができる。
2.人の活動には、物理学の法則が当てはめられる。
3.幸福度は身体活動の活発さに相関する。
4.身体情報は幸福度(活発度)を測ることができる。
5.データは機械に分析させて仮説まで作らせるべき。
6.身体情報を加えたデータは組織の業績に直結する。
7.日立って結構すごいことしてんだな。

これまでの社会で収集が困難であった人の情報。これがウェアラブルセンサによって集められるようになってきている。
左手にセンサをつけるだけで結構有用なデータが得られるようだ。
もちろん、今までにも、SNSや検索などのデータは収集されて、Web上のデータはかなり集まってきている。
俗にいう、”ビッグデータ”というやつだ。
しかし、日中の仕事時など、”リアル”においての情報というのは多分、全くと言っていいほど集まっていないんじゃないか。
ここに踏み込み、実用化まで持って行っているのが本書の著者を含むグループである。


<企業におけるデータの利用>
企業におけるITの活用といえば、ペーパーレスになったり、ワークフローが簡略化したり。企業内SNSだったり。
確かに便利になっている。煩雑なものが簡単になっている。
しかし、果たしてそれで業績が向上したか?というと、なんとなく便利になったね。で終わっているところも多いんじゃないか。
ITの導入によって確かにコストは下がるかもしれないが、その副次的な効果で何が起こっているかというのはよくわかっていない。

”本当に”コミュニケーションが円滑になったか
”本当に”受注率が増えたか
”本当に”新たなイノベーションが増えたか

今までのITの活用方法では、特定の作業の効率を高めることはできる。
が、企業の業績が(売上が)上がったかどうか、というのはデータとして出しにくいところであったように思う。
対して、ウェアラブルセンサを利用したデータを活用すれば、業績に直結するような効果を上げることが可能だということだ。
本書内の例をひとつ上げれば、あるショッピングセンターのある場所に従業員を配置するようにしたら、顧客単価が15%も上がったということである。


<これからどうする、どうなる>
この技術、世界を変える予感がすると思ったのは僕だけではないだろう。
ウェアラブルデバイスがもっと一般化すれば、世界はより良い方向に向かうんじゃないか。
そんな可能性を感じている。

データによってコンピュータが仮説を作り、それを人間が実行することで新たなデータが得られる。
このサイクルを回していけば、かなりの業績向上が得られるんじゃないかという夢の様な話であるが、説得力もあるのが本書である。
同時に人間の幸福度(活発度)も上がるというからいいことだらけだ。

自分の一日の活動を測り、そのデータを自分自身の生活向上に役立てられるようなアプリケーションが出てくれば、個人的に使う人が増えるんじゃないかと思っている。
健康管理、幸福度の向上、仕事のアウトプット向上まで役立てられるとなれば、使わない手はないだろう。

個人的にはそのようなアプリケーションが利用できるのであれば一刻も早く手に入れたいが。
実用化、普及が早く進むことを願っている。